創業資金の調達

創業時において一番苦労するのは資金調達といわれています。事業計画書でどれくらいの資金が必要かを明確にしたら、今度はどこからいくら調達するのかという資金計画を検討しなければなりません。
創業資金として理想的なのは、創業前の勤め人である期間などにコツコツとお金をためて、自己資金として用意することです。
ですが、実際問題まとまったお金を貯めることは容易ではありません。業種によっては大きな金額が必要になることもあるでしょう。

自己資金のみで創業資金をまかなえばい場合、とこからか調達してくる必要があります。
調達先について具体的にみてみましょう。

自己資金

自己資金は資金調達の中で一番大切な手段です。
創業にあたっての自己資金の調達は、理想を言えば100%自己資金というのが好ましいですが、現実には1/3~1/2の割合が多いようです。ただ後々のことも考えるとなんとか半分以上は自己資金にて調達したいところです。
さらに当面の生活のことも考えて余裕を持ちたいです。

家族・友人

これは、各個人のおかれている環境によって様々でしょうが、 ある意味、上記のうちで一番手っ取り早い方法かもしれません。過去の創業者の実績をみると、創業資金の1/4程度を家族・友人などから調達しているようです。

親兄弟、親族に資金力があって事業内容への理解を得られれば 親兄弟、親族若しくは知人から借りるのも一つの手だと思います。

しかし、注意したいのは、いくら親族と言えども「金の切れ目が縁の切れ目」 という言葉があるように、この借入が焦げ付くなどをきっかけに関係が ギクシャクしてしまうこともありますので、親族から借りるときも計画書を 提出するなどしっかりと納得してもらうようにすることが大切です。返済条件なども厳しく取り決めておきましょう。

特に知人から借りる場合は、親族と違って血の繋がりもないのでさらに シビアに考えなければなりません。

この時期は少しでも資金に余裕を持ちたいときでもありますので、 協力を得られるのならば協力してもらったほうが良いでしょう。 

投資家等(エンジェル)

創業時に資金をはじめ精神的支えなど、あらゆる支援をしてくれる人をエンジェル(天使のような人)と言います。ひとくちにエンジェルといってもその内容はさまざまですが、たとえばかつて取引先が、あなたの持っている技術や人格に対して名乗りを上げてくれるというように、身近な所からエンジェルが現れることもあります。

アメリカのいわゆるシリコンバレー起業と違って、日本ではあまり一般的ではないかもしれませんが、近年ではエンジェル税制も整備されつつあり増えている資金調達の手段です。
どこでどんなかたちで認められるか分りませんので、ダメ元で提案だけはしてみる価値があります。

いずれにせよ、魅力のある、地に足の着いた創業計画が大切です。

制度融資

制度融資とは、国や地方自治体が中小企業に対する融資制度として設けているものの総称です。
国の制度融資としては、無担保・無保証人で最高1,000万円まで融資可能なマル経資金があります。 (「資金計画はここを確認!」参照)
都道府県や市区町村でも種々の融資制度を設けています。創業計画の内容が、地域経済の活性化や雇用促進に結びついていれば有利に運ぶでしょう。
創業時の融資には厳しかったのですが、近年では特に自治体が独自で新規創業のための制度融資を設けているところもあります。一度県や市の産業振興課といったところへ問い合わせてみるのも手です。

政府系金融機関

一般に政府系金融機関とは日本政策金融公庫のことです。
創業者にとって最も身近な、創業時の融資に積極的に対応してくれる金融機関です。
この日本政策金融公庫からの公的融資に関しては後の項で詳しく述べさせていただきます。

民間金融機関

これから創業しようという方は、実績も信用もない場合が多いですから、都市銀行は小規模事業の創業時点に限れば、資金調達は難しいと思われます。
創業前から地元に密着した地方銀行や信用金庫に口座を開き、定期預金や給与振込、公共料金の引き落としなど着実なおつきあいを継続することが大切です。

出資

法人を設立する場合には出資(株式の購入)してもらう方法が、元金の返済がないという点できわめて有効です。ただし早期に配当を実施すること等が求められます。
有望な新技術やノウハウを駆使して大企業ではできにくい創造的ビジネスに対して投資するベンチャーキャピタルなどもありますが、株式公開による売却益を前提にしていることを認識してください。
また株式会社への出資の場合、会社の支配権の問題がありますので慎重になるべきですが、前出の家族・知人からの調達を借入ではなく出資というかたちで受け入れることも一考の余地があります。

助成金、補助金

助成金と補助金とは、国や自治体、財団などが給付している返済のいらない資金です。
この「返済のいらない」というのは、開業を考えている人に限らず、資金調達を考えている人にとっては最大のメリットではないでしょうか。
多くの省庁や団体が様々な補助金や助成金制度を持っています。
各要件にはまっていれば支給される可能性がありますので、ぜひ活用したい制度です。

補助金・助成金については後の項で詳しく述べさせていただきます。